くるだんど

【歌詞】

1
ハレーイ なれよ なすびよーい
ヨーハーレーイ 花ぬ咲ちゅん数 一枝 残さす スラヨイヨイ
胸に 染めろよ ヨーハーレーイ 親ぬゆしごと ひとこと 残さず スラヨイヨイ

2
花ぬ 咲ちゅりよーい ヨーハーレーイ 三京山
咲くなんや 千年から 咲ちみらん スラヨイヨイ
なおそ なおそよーい ヨーハーレーイ 明けてぬ
ニ、三月 吾きゃやぬ 庭かち スラヨイヨイ

3
阿鉄 小名瀬よーい ヨーハーレーイ
くるだんど 一番な スラヨイヨイ
ひぎゃや 嘉鉄よーい ヨーハーレーイ
手舞ぬ 一番や スラヨイヨイ

4
照(てぃ)りぎゅらさ 14日御月とぅ15日御月ぬ
うりゆんまぎゅらさ 島や節子ぬ富姉(ばっけ)目眉(むぃまゆ)や

5
暮らさんよりも 憎さる役目(やくむぃ)と 天井張(ば)り 美(きゅら)家(や)な 暮らさんよりも
暮らし勝さり 愛しゃる役目と つい立てくぶ屋に 暮らし勝さり

6
花ぬ美(きゅら)さ よーい名瀬ぬ 立神 打ちゅる波ぬ
長さ 美(きゅら)さひぎゃや 加計呂麻 諸鈍 島ぐわぬ

7
夢(ゆみ)ぃば 見(み)ちゃんど 夜(ゆべ)や ゆながと 汝(な)きゃば 拝(うが)みゅんち
汝(な)きゃば うがでぃ 神様ぬ ひきゃ合わせに

8
ハレーイ 黒だんど ヨーハレーイ 雨乞い願たんと
ハレーイ いきゃるまい ヨーハレーイ 島中ぬ人達(ちゅんきゃ)ぬ

9
ハレーイ 花ぬ美(きゅ)らさ ヨーイ ハレーイ 名瀬ぬ立神 打ちゅる波に
ハレーイ 長さ美(きゅ)らさ ヨーイ ハレーイ 東(ひぎゃや)や加計呂麻 諸屯ぬ浜ぐゎぬ

10
椎や実(な)るな 枝手久(※)ぬ山なんにゃ 椎や実るな 骨(ふねぃ)散らち 阿室ぬ長松姉ぐゎが 骨散らち

11
ハレーイ 世話(しわ)ばしめてよ ヨーハレーイ 親(うや)ぬ 太(ふ)でしゃる 情けば忘(わし)れて
世話(しわ)ばしめてよ ヨーハレーイ 親(うや)ぬ 太(ふ)でしゃる 情けば忘(わし)れて 世話(しわ)ばしめて

12
ハレーイ 長生き しんしょれよ ヨーハレーイ 魂ば入りけて 親孝行(おやふく)しゅうしが
長生き しんしょれよ ヨーハレーイ魂ば入りけて 親孝行(おやふく)しゅうしが 長生き しんしょれ

13
ハレーイ涙(なだ)ぬ 落(う)てぃてぃヨーイ
ハレーイ年取(とぅしとぅ)た 母親(あんま)と父親(じゅう)が 寝顔(ねぃがお)くゎ拝(うが)だとぅ
ハレーイ大事に しんしょうれ
ハレーイ汝(な)きゃ吾(わ)きゃ育(ふで)ちゃる 母親(あんま)と父親(じゅう)とぅば

14
あっからいもりゅん だんがささしゅん人(ちゅ)ぬ
白足袋(しりゅたび)くみくみ
吾(わぁ)きゃや待ちゅろ 新茶屋ぢ新茶買(こ)うて
菓子屋(くわしや)ぢ菓子買うて

15
走(は)れよ 舟 白帆や 巻きゃ巻きゃ
戻(むどぅ)しなりゅんめ 黒潮(くるしゅ)や 乗り出し

16
羽ぬ 窄(すぶ)で 離れ離れぬ 鳥ぐゎや
(囃子)しゃん美声(みくい)や ちょ今(なま)いぢて
肩ぬ 窄(すぶ)で 親居(う)らぬ 兄弟(きょでぃ)居(う)らぬ 吾(わん)一人(ちゅり) 生りゃ

17
黒だんど 雨乞い願たっと 黒だんど 雨乞い願たっと 黒だんど
喜(ゆるこ)びじゃよ 島々ぬ人(ちゅん)きゃや 喜びじゃよ 島々ぬ人きゃや喜びじゃ

【意味等】

※5 憎い人と天井もきれいに張った立派な家に暮らすよりも 愛しい人とついたて一つの粗末な小屋で暮らした方がよい。
※10 ※伊里の場合あり
椎の実はならないでください。阿室の長松姉さんはは椎の実取りに行って荒波にのまれて(ハブに噛まれたとも)亡くなったので。
★宇検村の枝手久島での実話を元に生まれた唄ち伝えられている 阿室は宇検村の地名
※12 心配させてしまった。親が大きくさせてくれた情けも忘れて心配をかけさせてしまった。
長生きしてください。魂を入れ替えて親孝行しますから、長生きしてください。
※13 年取ったお父さん、お母さんの寝顔を見ているとひとりでに涙が出てくる
私たちを祖さててくれたお父さん、お母さんを大事にしよう
※15 走れよ舟 白帆を巻いて走れよ舟 この黒潮にのりだした以上、今更戻ることはできないよ
(唄い方)ハレーイ はーり v よーふね v
ハレーイ しりゃー v ふりゃまきゃまきゃ v
はーりよー ふねー イヨーヤーレーイ v
しりゃふりゃ v まきゃまきゃ はーり v よーふね

ハレーイ むどぅし なりゅめ v
ハレーイ くーる v しゅや のーりだーし v
むどぅしーなーりゅめ イヨーヤーレーイ v
くーるーしゅや v のーりだーし むどぅし v なりゅめ

※16 親たちとも離れ離れになって、哀れそうに羽を窄めている鳥よ、私も親兄弟のいない、みなし子の身で、その淋しさにいつもこうして肩を窄めているよ。

【解説】

昔、奄美が薩摩の支配を受けていた頃、
名瀬の大熊でヤンチュ(奴隷)同様に働かされていた子守娘の「ミヨ松」が背中の子供をあやしながら
仲勝の空が黒ずんできたのを、地主の栄多喜は待望の雨が降って喜ぶだろうけれども、
ミヨ松はこき使われるので悲しいという話が元歌だと言われている。
現在は、主に教訓、恋の話、戦争時の話など様々な内容の歌詞が唄われている。

 


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