行きゅんにゃ加那

【歌詞】

1
行(い)きゅんにゃ加那(かな)吾(わ)きゃ事 忘(くとぅわす)れて 行きゅんにゃ加那 打(う)っ発(た)ちゃ 打っ発ちゃが 行き苦(ぐる)しやソラ行き苦しや

2
行(い)きゅんにゃ加那(かな) 遠方(あがと)の島まで 行(い)きゅんにゃ加那(かな) 汝(な)きゃ事(くとぅ) 思(う)めばや 行き苦(ぐる)しやソラ行き苦しや

3
阿母(あんま)と慈父(じゅう) 物憂(むぬめ)や 考(かんげ)えんしょんな 阿母と慈父 米取(くむとぅ)てぃ 豆(まむ)取てぃ 召(み)しょらしゅんど ソラ召しょらしゅんど

4
目ぬ覚めて 夜(ゆる)や夜(ゆ)ながと 目ぬ覚めて 汝(な)きゃ事 思(う)めばや 眠(ねい)ぶららぬ ソラ眠ぶららぬ

5
鳴(な)きゅん鳥(とぅり)小(ぐわ) 夜明けぬ ちぢなんて 鳴きゅん鳥小 うりや 吾(わ)きゃ加那(かな) 思出(うめじ)泣き ソラ 思出(うめじ)泣き

6
鳴(な)きゅん鳥(とぅり)小(ぐわ)立神 沖(たちがみうき)なんて 鳴きゅん鳥小 吾(わ)きゃ加那(かな) やくめが 生(い)き魂(まぶり)ソラ生き魂

7
また拝(うが)も 来年(やに)ぬ 今(なま)ごろ また拝(うが)も 節(してぃ)や 水車(みでぃぐるま) 巡りあお ソラ 巡りあお

8
取ったん金(かに)ぐゎ 店屋の番頭しゅて 取ったん金ぐわ 屋仁川(やんご)ぬ浮世に 打ち惚(ふ)れて スラ打ち惚(ふ)れて

9
待っちゅらば来(こ) 風呂屋ぬ角なんてぃ 待ちゅらば来 風呂入り なつぃけてぃ 出(い)じてぃこよ ソーラ 出じぃてぃこよ

10
忘りんしょんなよ 離りて暮らちむ 忘りんしょななんよ 島唄 島口 島踊り スラ 忘りんしょんなよ

11
遊びん しょろや 汝きゃ吾きゃ 寄合(ゆりゃ)とて 遊びんしょろや 三味線な出(いじ)たか 島唄ぐわ スラ 出じゃしんしょれ

12
遊びん しょろや 時々寄合(ゆりゃ)とて 遊びんしょろや 島唄あびたり話しんちゃしんしょちゃり スラ遊びんしょろや

13
懐(なてぃ)かしゃや 三味線ぬ声ぐわぬ 懐かしゃや 汝きゃ島 吾きゃ島 思出(うめじゃ)しゅんど スラ懐かしゃや

14
懐かしゃや 稀々 拝みば 懐かしゃや 唄しゅうてぃ 踊(うどぅ)とぅてぃ 遊びんしょろ スラ遊びんしょろ

15
懐かしゃや 道弾き三味線ぬ 懐かしゃや 妻(とぅじ) 居らん青年(ねぃせ)達ぬ 三味線だろ すら三味線だろ

16
遊びばよ 汝きゃ吾きゃ 寄合(ゆりゃ)とてぃ 遊びばよ 遊ばぬ 友人(どぅしん)達(きゃ)や 嫉妬(わぁなり)しゅり すら嫉妬しゅり

17
阿母(あんま)と慈父(じゅう)長生き しんしょれ 阿母と慈父 成長(ふで)てぃ 働らち 召(み)しょらしゅんど ソラ召しょらしゅんど

【意味】

※1 行ってしまうのですか?私のことを忘れて行ってしまうのですか? いえ、あなたを置いて行くのは大変心苦しいことなのです。
※2 あなたあんなに遠い所まで行ってしまうのですか?私のことを忘れて行ってしまうのですか? いや、皆さんのことを想うと大変心苦しいです。
※3 お父さん、お母さん、心配しないでください。私が米や豆を作って食べさせてあげますから。
※4 夜に目が覚めてしまいます。あなたのことを想うと眠ることができません。
※5 夜明けの山の頂上で寂しそうに泣いている鳥は私の恋人が思い出して泣いているようです。
※6 立神の沖で泣いている鳥は私の恋しい人の生き魂ではないだろうか。
※7 また会いましょう。来年の今ごろに。時節は水車のように巡って再びお会いできることを願っています。
※8
※9 人目につかない 先頭の暗い角で待っているから来てください。家の人には風呂入りをかこつけて出てきてください。
※10 忘れないでください。島を離れて暮らしても、島唄、島の言葉、島の踊りを忘れないでください。
※11
※12
※13
※14 離れ離れになっている皆さんと久しぶりに会うと本当に懐かしいものです。歌ったり踊ったりして遊びましょう。
※15 道で歩いて弾いている三味線の音は何ともいえない心に響くものだが多分独身の若い人の三味線の音だろう。
※16 シマ唄好きの皆さんが集まって楽しそうに歌遊びしていると唄好きでない友達等は嫉妬しているよ。
※17 お父さん、お母さん 元気で長生きしていてください 私が大きくなって 一生懸命働いて養いますから

 


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